じんましん(蕁麻疹)
蕁麻疹は、虫に刺されたようなみみずばれ(膨疹と言います)が突然あらわれ、多くはかゆみを伴う皮膚の病気です。
蕁麻疹の発症にはアレルギーや物理的な刺激などが関わっていますが、ほとんどは原因が不明です(特発性)。発疹は全身のどの部位でもみられますが、これらの発疹は原則的に24時間以内に跡形もなく消失します。1日以内に消えるというのが,じんましんと診断する上で最も大切な点です。受診時消失してることが多いので皮疹が出現した時にスマホで写真を取ってこられる方が増えてきて,診断に大変役立ちます。
原因
全体の約70%は特発性蕁麻疹と呼ばれる、特に原因なく発症するもので、夜に発症し昼に軽快することが多いです。感染、ストレス、疲労などが背景となることがあります。発汗や、日光照射、温熱、機械的刺激で症状が出現する場合もあります。アレルギー性蕁麻疹は有名ですが、頻度は全体の約5%程度です。原因となる食物や薬剤を摂取して3分~30分以内に出現するので、原因を推測しやすいです。エビ、カニ、ソバ、小麦、果物、アニサキスなどが原因となります。光ものの魚やイカを食べた後に生じた蕁麻疹では,それらに寄生するアニサキスによるものが意外と多く,確認する必要があります。
特別関係しそうな原因が見つからない場合、いわゆるアレルギー検査をしても無駄なことが多いです。上記を踏まえ、原因検索に関しては当院では患者さんと相談し方針を決定したいと考えています。
特発性の蕁麻疹に対する薬物治療手順
治療内容は、蕁麻疹の症状と効果に応じてステップアップし、症状軽減が見られれば原則として患者負担の高いものから順次減量、中止する。
*:蕁麻疹に対する健康保険適用は承認
**:速やかに症状の軽減を図ることが必要な場合
***:1か月以上減量または中止の目途が立たない場合は他の治療への変更を検討する
****:皮膚科専門医または専門施設、当該施設、あるいは近隣医療機関と連携して、喘息、アナフィラキシー等の有害事象に対応できる体制のもとで使用する
#:慢性例に対する保険適用は承認
じんましんの治療について
特発性じんましんは抗ヒスタミン薬による治療が基本です
原因不明の特発性じんましんは、きちんと抗ヒスタミン薬を内服することで、ほぼ抑えることができます。最近は抗ヒスタミン薬が効果不十分なときは、他の薬に変えるのではなく、内服量を増量することで効果が得られることがわかってきました。一定量の抗ヒスタミン薬を継続して内服していないと、すぐに再発する患者さんも時におられますが、
「出ていなくても2週間」しっかり内服することが大切です
大多数のじんましんは、「出なくてもしっかり2週間内服」することで、その後は出なくなります。抗ヒスタミン薬は「予防薬」と考えて,一定期間続けることが大切です.当院では日本皮膚科学会「蕁麻疹診療ガイドライン」に則って、治療方針をわかりやすくご説明します。
眠くなりにくい新しい抗ヒスタミン薬も選択できます
最近,新しい抗ヒスタミン薬も登場し,1日1回内服で,効果があり,眠気がないタイプが増えていますので,これまでの治療をお聞きした上で,状況にあった適切な抗ヒスタミン薬を処方します.補助薬を追加しても反応が悪い場合には、一時的にステロイドの内服を追加することがあります。
難治性の慢性じんましんには注射による治療もあります
それでも蕁麻疹が持続する場合には、治療費が高額にはなりますが、
極めて難治な特発性じんましん(慢性じんましん)の治療薬として,抗IgEモノクローナル抗体製剤のオマリズマブ(ゾレア®)という注射薬が最近よく使われるようになりました.1回本両腕に皮下注射します.3割負担で12,000円と高価ですが,抗ヒスタミン薬内服を併用してよい効果が得られます.
新たな治療選択肢:デュピルマブ(デュピクセント®)
その他、IL-4/13受容体抗体であるデュピルマブ(デュピクセント®)も選択肢として新しく承認されました。自宅での自己注射が可能です。
蕁麻疹の仲間 血管性浮腫
血管浮腫は蕁麻疹の一種で、まぶたやくちびるなどが突然腫れて、数日続く病気です。多くの場合、原因は不明ですが、特定の病気や薬剤が原因となっていることもあります。
口の中や気道の粘膜がはれた場合、ときに呼吸困難やショックに至ることがあります。
よくあるご質問
じんましんは原因がわからなくても治りますか?
はい、原因がはっきりしない「特発性じんましん」でも、適切な治療を行うことで多くの場合は症状をコントロールできます。
じんましんの治療では、原因を特定することよりも、症状を抑えて日常生活に支障が出ない状態を保つことが大切です。当院では、症状や経過に応じてガイドラインに沿った治療を行います。
じんましんが出ていなくても薬は飲み続けたほうがいいですか?
はい。じんましんの治療に使う抗ヒスタミン薬は、「症状が出たときだけ飲む薬」ではなく、再発を防ぐための予防薬として継続して内服することが重要です。
症状が落ち着いていても、自己判断で中止すると再発することがあります。内服の期間や減量のタイミングについては、必ず医師の指示に従ってください。
薬を飲んでも治らない場合はどうなりますか?
抗ヒスタミン薬で効果が不十分な場合は、内服量の調整や補助薬の追加を行います。それでも改善しない難治性の慢性じんましんでは、注射による治療(抗IgE抗体製剤など)を検討することがあります。
症状の程度や生活への影響を考慮しながら、患者さん一人ひとりに合った治療方法をご提案します。